私が発酵食品や調味料に興味を持つきっかけになった本をご紹介したいと思います。
ちょうど、自分がアレルギーに苦しんでいた時に読んだ本なので心に残っています。
主人公は京都左京区松ヶ崎のワンルームで暮らしていますが、実家は兵庫県西宮の甲陽園にあります。
その場所にも行ってみたい衝動に駆られますが、それ以上に登場人物たちの関西弁での会話が心地よく、情景を思い浮かべながらのんびり読み進めることができます。
立ち止まって、ゆっくり生活を見直してみる、そんな機会をいただいた本です。
豪華限定本の制作を手掛けるフリー編集者 船木聖司は小さな美術出版社に勤めていた時に知り合った松葉伊志郎という裕福な老人から、日本の伝統的な発酵食品を後世に伝えるための豪華な装丁の限定本を作って欲しいと依頼されます。
聖司は早くに父親を不運な事故で亡くしています。仕事をする母親の代わりに面倒をみてくれた祖母に、納豆とチーズと糠漬けで育てられたような聖司は、祖母が亡くなる前に「ヒコイチ」とつぶやいたことに疑問を持ち、調べはじめます。
限定本の制作と「ヒコイチ」の謎を解く事、このふたつの事を通して描かれる聖司の心模様、そこに登場する魅力的な登場人物も丁寧に描かれています。
発酵食品の限定本を制作するため、鰹節や味噌、醤油の取材の様子や、撮影の様子も興味深く読みました。発酵菌が食品に及ぼす力、微生物の営みにも驚かされます。
限定本制作の依頼人、松葉伊志郎の言
「ぼくは、最近の子供や若い人たちに、昔にはなかった病気とかアレルギーとかが蔓延してるのは、有益な微生物とのつきあいが減ったからじゃないのかって気がしてね」
食事って、とても大切だと思うようになりました。
食生活を変えてみて、醤油や味噌、糠漬け、納豆などの発酵食品が自分の身体に及ぼす力を実感しています。日本に古くから根付いた微生物との、ほど良い関係を保つことが大切だと感じています。
薬やサプリに使うお金を美味しい食材に、
少しの手間と時間を美味しく作ることに使いたいと思います。
今、しばらくの間。
<セロリと挽肉の揚げ焼き> 何にもつけなくても充分美味しいです。
<鯵の南蛮漬け>
<ふき煮> 初めに茹でてから皮を剥きました。
半分はごま油で炒めて淡口醤油で味付け、
残り半分はお揚げさんと一緒にお出汁とみりん、淡口醤油で煮含めました。
<春菊の胡麻和え>
ご馳走様でした。